イドインヴェイデッド第3話を見返してみたら怖すぎた

前記事→「イド=井戸【イドインヴェイデッドの世界観】」からの続きになります。
イドの第3話をあらためて見返して考察していきたいと思います。
その前に第2話で初めて酒井戸が現実世界の鳴瓢として登場します。
いきなりおっさんだったんで誰?と思いましたよ
2話で百貴室長と話している鳴瓢。
二度と誰かを自殺に導こうとするな、という百貴室長に対して、五度とでしょ、と応答します。
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もう目がいっちゃっててヤバい人ですね。
ここの津田さんのねっとりした演技、最高でした。
この会話から、鳴瓢が過去に4度、誰かを自殺に導いたらしいことがわかります。
そして第3話、連続爆破テロ犯花火師のイドにはいった酒井戸。
酒井戸は犯人を割り出し、花火師はとらえられ、酒井戸=鳴瓢の向かいの独房に収監されます。
花火師と会話をする鳴瓢。
会話だけで鳴瓢は花火師を追い詰めていきます。
花火師が否定しても鳴瓢は「俺は知ってるんだ」と言い、その結果、花火師は自殺します。
これ、なにがおこったんでしょう?
鳴瓢は酒井戸として、花火師のイド=無意識の中に入っています。
これはつまり、前記事で前述した心理療法士のようなものですね。
ともに手を取り合って入る療法士と、勝手にはいっちゃう酒井戸の違いはありますが、酒井戸は無意識レベルで花火師を理解していることになります。
だから、花火師が口先でなんと否定しようとも、そんな言葉は俺には届かない、俺はわかっちゃってるんだよ、といえるわけですね。
そして花火師が最も見たくない知りたくない、自分自身の無意識をさらけ出して見せます。
第3話で、松岡さんが自分自身のイドにはいるとドグマに落ちる、と説明してましたが、まさにそれを相手に強要しているようなもの。
いうなれば、酒井戸の言葉は花火師にとって、体の内側からハンマーでたたかれているようなものでしょう。
こりゃ悪魔。
こりゃ壊れるわ。
クライアントが、心理療法士との深い関係性に支えられて立ち直っていくのと逆パターンですね。
そして第2話の百貴さんとの会話から、酒井戸がこれを繰り返していることがわかります。
あの、独房をもっと離したほうがいいんじゃないですかね?
酒井戸は最初からこういうことができたんじゃなくて、名探偵として何度も人のイドに潜っているうちに、こういう能力を身に着けたんじゃないでしょうか。
訓練のたまものですねって怖いわ!
いや、これはとんでもないダークヒーローでわ??
しかも立件できそうにないですよね、これ。
会話しただけだし。
同じく無意識領域をテーマにした「pet(ペット)」でも、相手の無意識に介入することで「つぶす」ということをやっていましたが、どんな人でも内側から破壊されたらひとたまりもない。
何度も無意識に侵入してその世界を把握している酒井戸には片手でひねりつぶせるような感覚があったんじゃないでしょうか。
しかもこれが空恐ろしく感じるのは、これが決してファンタジーではない、ということ。
カルト教団がマインドコントロールを行使しテロを起こした日本では、これを全くのファンタジーで片づけることはできないでしょう。
なーんか最終話ではかっこよく終わっちゃってましたが、よくよく見返してみるととんでもないダーク主人公でした。
松岡さんが見下げはててるわけですね。
しかも津田さんの演技で恐ろしさが増幅してるし(笑)
ということで、初見ではよくわからなかった第3話、見返してみたらぞっとしたのでした。

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