イド=井戸【イドインヴェイデッドの世界観】

ID:INVADEDがあまりにもわからなかったのでただいま見返しておる時々雨です。
前記事で第一話が実は情報ぎっしりだったと書きましたが、本堂町ちゃんが大事なことをつぶやいておりました。
前記事→「イド第一話を見返してみたら激面白かった件」
松岡さんに無邪気に尋ねる本道町ちゃん。
id-anime3.jpg
「フロイトの超自我のイドと、井戸って駄洒落ですか?」
それに対して松岡さんは必然だと答えます。
井戸という言葉は異土(異なる場所)にも通じるのだと。
松岡さんは第3話でもイドについて本堂町に詳しく説明しています。
さすが松岡さん、頭いい!
それなのに、わたくし、初見の時はスルーしていました(笑)
本堂町ちゃんと一緒に「えへへ」って頭かいてましたねw
じつはこの本堂町ちゃんの質問、この作品のバックボーンをなす世界観をあらわしている重要なキーワードだったのだと思います。
井戸に潜るというと思い出すのが村上春樹氏の小説「ねじまき鳥クリニクル」。
ねじまき鳥で主人公は、涸れた井戸(これは現実の井戸)の中に入ることで無意識へと降りていき、そこはあらゆるところにつながっていてそれは現実ともリンクしているのです。
ユングがいうところの集合的無意識の世界ですね。
個人の無意識の下には集合的無意識があり、重層的な構造をしているその世界は下に降りていけばいくほど、広くすべての意識とつながってゆくという…えーと、詳しくはユング心理学の本読んでください(笑)
で、この作品、イドインヴェイデッドも、この概念を下敷きにしていると思われます。
というか、井戸に潜ることといい、ジョンウォーカーといい(村上春樹の作品にはジョニーウォーカーという人物が出てきます)、この作品は村上春樹氏へのオマージュ入りまくりですね。
つまり酒井戸が潜っているのは個人の無意識の領域であり、現実とも当然リンクしており、さらにはその下には集合的無意識が広がっており、そこでは皆つながっている。
だから人は影響を与え合うし、シンクロニシティの論理もそこから出てきます。
心理療法の本などを読むと、心理療法士はクライアントとともに無意識へと降りていく伴走者のようなものであり、非常に密接な関係性を持つにいたることも多いようです。
療法士がクライアントに影響を与えることはもちろん、療法士のほうも影響を受けることもあるそう。
だから心理療法士はきちんと訓練を受けた人でないと、無意識に飲み込まれ大変なことになってしまうんですね。
さて、こういう世界観を前提としてみると、俄然、第3話の酒井戸=鳴瓢の行動の意味が深く理解できます。
ちょっと長くなっちゃったので続きは後日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です